アメリカの面白いバインダー絵本

以前、アメリカからある道路工事に関連するPR資料を取り寄せたことがあります。

それはボストン市の大型道路建設プロジェクトに関するものでした。

そして、大小さまざまなパンフレットやバインダー、ファイルなどが段ボール箱にぎっしりと詰め込まれていました。

その中に一冊の変型バインダーがあり、表紙には道路工事のアラカルト写真が印刷されていました。

シールドマシーンを多用するこの工事では、何万人という人が工事に参加していて何年も前から継続して作業が行われていましたが、さすがに大国アメリカだけのことはあり、その工事に関する説明書やPRパンフレットは実に多彩でした。

しかし、その中でも目を惹いたのが一冊のバインダーで、中を開くといきなり立体的に中の紙がもちあがったのです。

ほう、変わったことをするなと、次のページをめくると、これまた立体の3Dの機械になりました。

面白いバインダーで、次から次へと平面が開くと立体になり、工事の進捗状況や使用しているシールドマシーンなどが浮かび上がるのです。

このようなバインダーを製作するのにはかなりのお金がかかりますから、その大胆さにはいささか驚いたものです。

そして、マスコットキャラクターもボストンの工事現場の地下の地層も立体的に見ることができるので、市民は工事に反対する余地がなかったのではと思いました。

しかし、これを日本でやると、税金の無駄遣いだと言われるのではないでしょうか。

全てが大きいアメリカならではのバインダーの面白い使用法をご紹介いたしました。

バインダーにとじた企画書の重み

バインダーも多種多様ですが、会社などでのバインダーは主に書類などの保管に使われます。

しかし、そのためにバインダーがあるのではなく、バインダーの使い道は人により変わってきます。

ある会社では、その会社始まって以来最大のイベントを請け負いました。

まさに社運を左右しかねない受注なので、全社を挙げての取り組みになりました。

そうなると会社の企画や営業をはじめ少しでも関係がある部署の人間が集まって、連日連夜企画を練ります。

そして、イベント開催の期日が決まっているので、企画会議は夜遅くまでの日が当たり前です。

そこで出された規格案は日を追うごとに固められていき、修正が加えられていきますが、いよいよクライアントにその企画書を提出する段階で用意されたのが特注のバインダーでした。

そのバインダーの表紙にはイベント名、クライアント名、その他必要なことが銀色の箔押しで書かれていて、見るからに高価なバインダーになりました。

これなら、いろいろと注文をつけてきたクライアントは文句の言いようがありませんから、こうなるとこのバインダーは一種のお飾り物になります。

つまり、クライアントにとってこの企画書のバインダーは重みがあると同時にそれを作成した会社にも大きな札束のような重みがあるのです。

そして、無事にイベントが終了した暁には別の報告書のバインダーが作成されます。

このように企画書を特製のバインダーに入れるのは、その重要性と重みを名実ともに強調する手段になります。

 

経理・税理関係で使われるバインダー

経理や税務関係では横型あるいは縦型のバインダーが使われているようです。

横型のほうが使われる頻度が多いようで、これは時系列的に一か月や一年もしくはそれ以上にわたる金銭の動きを記録するためです。

また、出納の項目が多いと必然的に横に長いほうが便利だということもあります。

例えば会社での毎日の収入や支出では収入はひとつの欄でいいのですが、支出となると交通費からはじまってさまざまな項目が発生しますから、とても縦型では収まり切りません。

そして、勧進帳のような横長のバインダーがその会社のお金の動きを克明に記録しています。

そこで、税務監査などが入った場合、そのバインダーを税務署員に見せれば一目で収支の状況が把握できます。

この項目の金額が異常に多いのではないかなどと厳しいつっこみが入ったりしますが、そこは正しい理由を説明すれば税務署員に納得してもらえます。

このように会社の経理や税務関係では特に横型(E型)のバインダーが必要になります。

たまにはA4縦型(S型)のバインダーを使用して、その中の横長の紙を二つ折りや三つ折りにすることもあるようですが、これも一案で、こうすれば省スペースにはなります。

いずれにしてもここで言いたいのはバインダーが経理や税理の分野で使われることですが、それにしてもその中身で収入の欄に記載する金額は大きいほうが経営者には望ましいことで、その逆に支出欄の各項目の数字が小さければ収支の結果は黒字になる公算があるので、経営者はこのようなバインダーを毎日一喜一憂しながら睨むことになるのです。

建築や製造でバインダーは活躍する

建築の際に基本中の基本になるのが設計図でしょう。

また、その他の機械類、あるいは自動車などの製造でも設計図は基本になります。

このような設計図はいまではCADで描かれることが多いのですが、CADで設計をしても、コンピュータの画面では実際の役には立ちません。

やはり最終的には目に見える紙に出力された設計図がさまざまな用途で使われます。

まず、第一段階での検討会議で使われ、修正・変更などが加えられてだんだんと設計図が固められていきますが、その枚数は数十枚あるいはそれ以上になります。

そうなるとある程度の段階でそれをきちんとまとめる必要がでてきます。

そこでバインダーの登場になり、比較的大型でおおむね横長のE型バインダーが使われます。

最終的にはその建築や製造現場で実際に使う設計図を集約したバインダーがつくられますが、それは現場での貴重な資料になりますから、その保管や使用はトップシークレット的な扱いになります。

このようなバインダーは厳重に保管され、それに関係する人にしか公開されません。

そして持ち出しも厳禁で、まさに社運を左右する財産がこのバインダーの中にあるのです。

特に独自に開発された部分の設計図が入ったバインダーは宝物で、現場監督でもバインダー全体を見ることはなく、その都度に必要な部分しか見ることはできないでしょう。

しかし、それなりに建築や製造の現場でバインダーが活躍していることは間違いがなく、それはバインダーの表紙が頑丈にできていて、しかも中にたくさんの紙類を収納することができる利便性があるからです。

報告書にバインダーは定番です

バインダーはたくさんの種類があるようですが、主に横長のバインダーで、それも大型であれば工事の報告書に多く使われているようです。

つまりこのようなバインダーは報告書の定番と言えそうです。

そして、報告書にも工事だけではなく、研究結果の報告書などもありますから、バインダーはこの種の書類や写真をまとめるのに必須のものになります。

このような報告書のバインダーは表紙が頑丈で、クロス貼りが常識になっていて、一見すると写真アルバムのような印象を受けますが、とにかく1冊でも相当な重さがあります。

その中身はすべて印刷された紙類で、それも折りたたまれていたりしますから重くなるのも当然だと言えます。

このようなバインダーの報告書はその中身を取り出せますから、報告会議で各自は中身を見ることができますし、そこまでしなくても同じ報告書を各自が見ていますから、会議はスムーズに進行するでしょう。

そして、使い終わった報告書のバインダーは各自が所有するか、あるいはまとめて担当部署に保管されるそうです。

とにかく公官庁でのこの手の報告書バインダーが多いのには感心させられます。

この手のバインダーがないほうが不思議というもので、とにかく公官庁で書類を保存するのにバインダーは必要不可欠のものとなっています。

公官庁に勤務されている人には当たり前のことですが、部外者にしてみればここまで徹底しているのかというのが報告書のバインダーで、とても普通の家庭に縁があるとは思えません。

餅は餅屋なのですね。

ルーズリーフバインダーの記録写真帖

元来これは文字を書くためなのですが、イラストも漫画も描こうと思えば描けます。

しかし、さらに発想を広げれば別の使い道が見えてきます。

それは、ルーズリーフの紙に写真を貼りつけるのです。

写真の記録は余白に記入することができますから、これは記録用の写真帖になります。

この使い方はことさら新しい発想ではなく、多くの工事記録写真はこのようにして保管されています。

例えばある官庁では道路工事の際に、発注先の工事業者が記録のために撮影した写真をルーズリーフバインダーに貼りつけて、それがどこのどのような工事なのかを克明に記録するような指示を出すようです。

そうすれば、その道路工事の進捗状況が克明に分かりますから、納得がいくのです。

これは決まり事ではなく、工事業者次第でどのような形式でもいいのでしょうが、分かり易いのがルーズリーフバインダーの記録写真帖のようです。

そして、さらに進んで工事記録報告書になると、本格的な横長B4判のバインダーが使われるそうですが、その時にはこの写真をはがして、転用するのです。

このような記録写真帖はその意味では一時的なものかも知れませんが、これをプライベートに応用すれば、庭の四季折々の木や花の移り変わりの写真を貼った記録写真帖を作ることもできますし、子どもの成長記録の写真帖にもなります。

ルーズリーフバインダーの写真帖が便利なのは、余白に自在に字が書けることで、これは写真アルバムではできないことです。

バインダーで布地見本帳を作る

バインダーの使い道は考えればいくつもありそうです。

あるファッション関係の女性はバインダーを布地見本帳にしたそうです。

つまり、A4サイズの紙にたくさんの布地の切れ端をのりで貼って、それをバインダーに入れているのです。

布地の見本帳は当たり前ですが、このバインダーの布地見本帳は少し異なります。

つまり、布メーカーの布地見本とは違い、さまざまなメーカーの布地があるのです。

そして、これが寒色系から暖色系の順になっていて、さらに柄による区別もされています。

こうなると世界中の(少しオーバーですが)布地が一堂に会した感があります。

これはファッションコーディネイトで使うのだそうですが、そのためには中身を取り出してあれやこれやと並べたりして、色と柄の取り合わせを考えるのに便利とのことです。

印刷物のカラー見本帳がありますが、そのような単純なものではなく、それを見るとまるで別の世界にきたような感じがするのは不思議です。

例えばツーピースの洋服の場合、スカートの色がこれだと、上はこの色の系統があの人には似合うとか、格子縞模様のバリエーションも自由に組み合わせることができるのだそうです。

これはまさに発想の泉のようで、本人も使ってみて実に多種多様な組み合わせがあることに改めて驚いたとのこと。

つまり、まさしくオリジナリティ豊かなファッションの世界が小さなバインダーの中につまっているのです。

この人は友達から端切れをもらい、それをこのバインダー布地見本帳に追加していますが、間もなくバインダーの中身が一杯にあるので、2冊目を作るそうです。

この世で1冊しかないレシピバインダー

私の妻は料理が好きで、得意な料理は自分が考えたレシピが相当数あります。

そこで私は妻のためにバインダーを用意しました。

この世で1冊しかないレシピバインダーをつくろうというのです。

最初はレシピを記した紙類をA4サイズに統一する作業ですが、変型の紙は折り込んでA4にしました。

また、小さい紙はA4の紙にのりで貼ってサイズを統一しました。

次に厄介なのが料理の区分で、これは一切を妻に任せました。

レシピには妻のオリジナル以外もありますから、区分はかなり細かくなりました。

そこを何とかして、やっと区分が終わったので、パンチャーで孔をあけて、区分けのための白紙をはさみ、そこに耳をつけて、それぞれがすぐに分かるようにしましたが、このバインダーにレシピを入れる作業は楽しいものでした。

やっと出来上がり、お茶を飲みながら夕食の相談をするのもレシピバインダーであれこれと吟味しました。

そしてこのレシピバインダーを置いておく場所は冷蔵庫の上がいいということで、ブックエンドを冷蔵庫の上に立てて、そこにバインダーを置きました。

実際に中身を使う際にはバインダーから必要なレシピを取り出すのですが、それがどこにあったのかが後で分からなくならないように、色紙を用意して、レシピを抜き出した箇所にその色紙を一時的に入れるようにしました。

こうしておけば中身の順番が狂う心配はありません。

妻はこのレシピバインダーがお気に入りで、前にも増して最近の料理は変化に富んできたような塩梅です。

 

長年の日記をバインダーで終生保存

市販のバインダーの統一規格はないようで、さまざまなバインダーがあります。

孔の数も3穴から4穴、あるいはそれ以上、背巾も10mmから70㎜あるいはそれ以上とまちまちです。

また、バインダーは特注品も多いようで、そのため一定の規格がないのでしょう。

それは仕方がないとして、私は長年にわたり大学ノートに日記を記しています。

大学ノートの厚みもいろいろなのですが、これが10冊にもなりますと机の引き出しの中を占領しますから、この日記をどうにかしようと考えました。

そして行き着いたのがバインダーにまとめることで、そのために文具屋さんでいろいろな種類のバインダーを探しました。

大学ノート10冊だとその厚みは50㎜を超えます。

そこで買い求めたのが背の幅が70㎜のバインダーです。

これなら十分な余裕がありますから、このバインダーを2冊買い、日記のノートに孔をあけるパンチャーも買いました。

この際に注意したのはバインダーの穴とパンチャーの孔の位置が同じであることです。

こうして何とか入れものはそろいましたが、大学ノートにパンチャーで孔をあけるのは相当な力が必要なのにはびっくりしました。

それにタイミングというか孔あけにもコツがあることが分かりました。

そろそろとパンチャーを押しても孔はあきません。

一気に力を加えることのようです。

そして、どうにかこの作業を済ませて、大学ノートにインデックスシートで耳をつけて古い順から大学ノートの日記をバインダーに収納。

それから背表紙に中の日記の年代と1と2の数字を手書きで書きました。

つまりバインダー1が○○年~○○年、バインダー2が△△年~と言う具合です。

そして、それを本棚に立てかけるとまるで書籍のようです。

バインダーは会社の書類保存に重宝

単にバインダーと呼ばれる事務・文具用品はどこにでも売っていますが、それは外側だけです。そして、背の部分の巾も狭いものから広いものまで何種類もあります。

このバインダーサイズは大概はA4ですから、通常の書類を入れるのに向いています。

そして、中には何枚かの色紙が入っていて、内容を書く目次ページの役目をするシートも入っています。

これは中にある書類がいくつかに分かれている時に使いますが、例えば、A社の分の書類は黄色で、次に青色はB 社の分の書類と言った具合に一つのバインダーの中に異なる内容の書類を同時に収納することができます。

この内容物の分類の仕方は会社や業務により異なりますが、いずれにしても極めて能率的で使いやすいのがバインダーです。

唯一の欠点としては、バインダーに書類を入れる時に孔を開けなくて名ならないことと、コピーをとると、その孔の跡が残る事でしょう。

しかし、バインダーはこのようなデメリット補った余りあるメリットがあります。

第一に背表紙に内容を明記すれば、遠くからでもそれが分かりますから必要な書類の所在がすぐに分かります。

また、中の書類は簡単に取り出すことができますし、入れ替えも自在です。

追加もできますし、削除もできます。また、内容物が別のものになれば、背表紙の紙を取り換えて新しく内容を書くことができます。

そして、何よりもバインダーは頑丈にできていて、しかも立てておくことができるのがいいところで、多少手荒く扱っても壊れる心配はありませんし、単独でブックエンドなしでもデスクに立てておくことができますから、会社では重宝がられています。