バインダー、それも孔つきのバインダーに書類を入れる要領で、それを書籍のようにするのがバインダー製本ですが、これは普通の人ではなかなかうまくできないものです。
確かにバインダーはあるし、中に入れる紙類もそろっています。
しかし、厚さが10センチ以上ともなるとさすがにお手上げになりそうです。
まず、中に入れる紙にきちんとパンチャーで孔あけをするところでわずかずつ位置が狂ってきます。
そうなると、最終的には全部の紙にある孔の位置が微妙に狂ってしまいますから、すんなりと厚手のバインダーに納まりません。
また孔をあけ直すと見栄えがしなくなります。
それから、やっとどうにかこうにかそれをクリアしても、今度は金具のねじ止めがうまくいかないのです。
それというのもバインダーの内部寸法は中に入れる紙の厚さとほぼ同じだからです。
つまり、ぴったり隙間なく中身をバインダーに入れるのですが、これがなかなか大変なのです。
使う道具や機械類が違うと言えばそれまでのことですが、プロに頼むと実に手早くしかも完璧にこの作業ができてしまうのです。
できあがったバインダーはまるで書籍そのものですから感心してしまいます。
しかし中には器用な人がいて、プロ並みにこのようなバインダー製本ができるのです。
そのコツはと聞きますと、落ち着いて焦らずに、とのことでした。
その人に言わせると落ち着いてゆっくり慎重にパンチャーを使えばマシンに近い精度で孔あけができ、分厚い紙束をぴっちりバインダーに収めることができるので、プロ並みの製本ができるとのことでした。
それを聞いていてウサギとカメの話を思い出しました。